和牛子牛の市場へ行った。
実習で見せてもらっていた黒毛和牛の農家は、主に繁殖を行っているところが多く、そこで生まれた牛たちは生後8〜10ヶ月ほどになると島中の子牛が1つの市場へ行き、その後の肥育を行う農家さんに買われていく。
その日の市場には400か500かもっと沢山いただろうか?
これから彼らは買われた先で但馬牛になったり、松阪牛になったりするんだろう。
育てた農家さんたちは、ここまで来れたことにホッとしつつ、自分の仔がどれだけの金額で、つまりどれだけ高い評価を受けて引き取られていくのかを見守っているんだろうか。
子牛を育てる様は子育てのようで、彼らはとても大切にされていた。
だからこそ、【市場で仔牛を売る】という行為そのものからは『ドナドナ』の曲を連想したのに、そこには全然悲しさがそぐわなかった。
もっと、誇らしいような、子を送り出すような…、確かに牛は牛であり、肉となる運命なのは抗えないが、それでも大事に育ってきたことを証明する門出の日にもちょっと似ていて…。
もう一言で表せるものではなく、ましてや勝手な考えで「育ててきたのに売るのは かわいそう」なんて言う奴は後ろから蹴ってやりたくなるような、そんな風景。
そうやって生きてきた社会をかいま見た。
どなどな。
私が見た『どなどな』は、きっと人が動物の大切さ、ありがたさを知って生きている世界。
だから、そんな世界も見れた私はとっても幸せ者。
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